『やすらぎの郷』によるテレ朝の昼ドラ進出以降、クローズアップされることになった昼ドラバトル。12時半から始まるテレ朝のそれと12時45分から始まるNHK朝ドラの再放送が期せずして(？)続けて見られるということで(テレ朝ドラマの本編終了と同時にチャンネルを替えるのがコツ)、いやがうえにも視聴者としては内容、出来の比較をしてしまうという形だが、10月から始まった『トットちゃん』と『わろてんか』において、当初、関心が寄せられていたはずの清野菜名と葵わかなの主演バトルが、ここにきて思わぬ方向への展開を見せることに――。芸能評論家の三橋りの氏が解説する。
「発端は『わろてんか』に葵の恋敵として出演中の広瀬アリスの存在が俄然クローズアップされるようになったこと。葵の清純キャラとは対照的な小悪魔的な広瀬の役どころが『魅力的過ぎる』『悪女的な意地悪ぶりから目が離せない』などと大きな反響を呼んでいるのは、知る人ぞ知る話。一方、放送一か月を経て満を持して登場することになった『トットちゃん』の清野ですが、実は清野と広瀬は同年齢の関係。さらに2人には妙に共通点が多いこともあり、一部アイドル・ファンや若手女優ファンの間で好対照な比較の対象として、にわかに関心、注目が寄せられているんです」
清野菜名は1994年10月14日生まれ、広瀬アリスは1994年12月11日生まれで、確かに同い年の関係。前者は愛知県、後者は静岡県出身ということで、中部地方育ちの共通項もあるわけだが、うーん、ほかにもそういったものが？
「それがいくつもあるんです。たとえば学生時代、ともにバスケットボールに打ち込んでおり、運動神経が抜群なのはファンなら周知の話。清野が映画『TOKYO TRIBE』で見せたハードなアクション、同様に広瀬が『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』や『銀の匙』で見せたそれは有名ですからね。ほかにも、ともに2009年の同じ年にグランプリ級の賞を獲得し(編集部註.清野が集英社主催のグラビアJAPANで準グランプリ、広瀬がミス・セブンティーングランプリ)、それが躍進のキッカケになっていること。それぞれ人気モデルとしても活動するわけですが、ともにそのポジションをあっさり捨てて、女優一本に活路を見出しているということ。加えて、清野がくだんの『TOKYO TRIBE』でヌードを披露したのに対し、広瀬はトリンプの下着モデルとして活動。ともに10代での大胆な決断は特筆に値するものが。さらに2人とも3人きょうだいの真ん中で、女2人、男1人の構成も一緒といえます(笑)」(同氏)
なるほど。多くの若手女優いれど、ここまで共通項がある関係の2人はそういないように思われる。なお、この機会に筆者が見つけた2人の共通項、というより因縁と言うべきそれは、清野の生まれた愛知県稲沢市はかの武将、織田信長の出生地、対する広瀬の生まれた静岡市は今川義元の出生地であるということ。そう、戦国時代の伝説的戦と呼べる桶狭間の戦いにおける両軍の大将が生まれた町で2人は誕生しているのだ。これは単なる偶然？(煽るな煽るな)。かくして、いくつもの共通項で結ばれた2人の今後の活躍は俄然注目したいところ。桶狭間での勝者は信長だったが、450年もの時を経ての2人のバトルの行方は？(笑)。よきライバルとしての動向、昼ドラでのさらなる躍進に大きな期待を寄せたい。
(文・織田祐二)
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