アイドルのグラビア卒業について
38歳の人妻&3人の子の母親にして、依然グラビアを続ける熊田曜子。かたや、40歳にして、16年ぶりの写真集が話題の熊切あさ美など、グラドルの高年齢化が再びクローズアップされがちのグラドル界だが、その一方で、若くしてグラビアを卒業(および、グラドル界からフェードアウト)する者が絶えないという実情もあり……。
「完全引退した川崎あやのような存在もあれば、小倉優香や菜乃花のように、限定的なグラビア活動に含みを持たせる者、武田玲菜のように脱グラビアで女優に完全にシフトする者、浜田由梨や清水楓、石岡真衣のようにグラビアを卒業してその後は未定な者、久松かおりのようにいったん業界を離れる者など、それぞれ事情は様々なのですがね。
菜乃花、浜田、久松、石岡と、日テレジェニックグランプリ獲得者がこぞってそういった行動に出ているのがなにやら興味深いところではありますが(笑)、グラドル戦国時代の中で頭打ちの状況や実態も指摘される中、出処進退を潔く決断するという流れは、昨今のコロナ禍の影響含め、当面続くのではないでしょうか」(アイドルライター)
とりあえず、芸歴17年目の清水楓は初の芝居にして、主演映画に挑戦。初の濡れ場を披露するなど、新境地をもっぱら開拓中だ。
「川崎あや始め、大半がSNS継続で、言動がいろいろ注目されていますよね。個人的には“隣の蒲田さん”名義でツイッターを続ける川崎の次なるアクションにどうしても期待してしまいますが(苦笑)。一方、石岡のラストDVDはAmazonで1位を獲得しましたし、年末にはラスト写真集のリリースが控えており、まだまだ予断を許さない状況。
映像ならぬ写真のほうでの展開に関心が寄せられる小倉や菜乃花などもそうですが、グラビア仕事への距離感を公言しつつ、ファンとの間に生まれる独特の緊張感や言動での駆け引きが、今後、どう昇華されていくのか興味があるところです」(芸能評論家・三橋りの氏)
グラビア卒業宣言には20年前から一家言持つという芸能ライターの織田祐二氏にも聞いてみた。
「『グラドルのグラビア卒業宣言はプロレスラーの引退宣言同様、話半分で聞け』という見方が古くからありまして(笑)。宣言どおり一切復活しない者には一目置いてしまうという。まあ、卒業の仕方も、かつての仲根かすみのように、写真集のイベントの翌日に結婚発表というのはいただけませんが……って、話が古すぎますか(苦笑)。
小倉優香の『グラビアは量より質』発言は賛成。実際、新人グラドルや事務所関係者の『DVDを4枚出したら一区切り』といった話はよく耳にすることで、最初は勢いで量が優先になるものの、途中から質重視になるのは必然でもある。こういう傾向は話題作りも含めてSNSやイベントでの公言という形で、より顕著になっていくように思われますね」
かつて、イエローキャブの野田社長(現・サンズエンタテインメント会長)は「女優やタレントの仕事が忙しくなって、グラビア仕事が必然的にフェードアウトされていく」という、いわゆる“イエローキャブ方式”を提唱したが、次々にニューフェイスが登場、DVDをリリースするシーンにあって、そういった言説をいま一度考えてみる時期に入っているのかもしれない。
周知のようにブレイク真っただ中であっさり引退した川崎あやだが、思えば、かつてのイエローキャブ(およびサンズ)でも、森ひろこや小野愛、上野未来、草場恵(彼女は野田体制以後の所属か)など、ブレイク半ばでのフェードアウト劇(不可解な失速含む)はあったわけで、昨今時流にも思われるシーンのくだんの動向も、実は案外、昔からあったものと言えそうな感もなきにしもあらず? 引き続きシ-ンを注視しつつ、あらためて答えを求めたい。
(文・ゴーゴータイムズ雑賀)