ゆうこりんやアッキーナなど、一時はシーンを席巻した妹系グラドルだが、最近は減少傾向に??? その歴史と目下の傾向について検証してみた!

 いまや、アイドル・シーンで完全に定着した感のある“妹系”という呼称。ヴィジュアルや雰囲気、キャラなど、人気アイドルになるべく必須の要素と言っても過言じゃないと思われるが、意外なことに“妹系 グラドル”といった形で検索してみると、最近はコレといっためぼしい(笑)ペルソナにひっかからないことに気づかされる。これはいったいどういうわけなのか? 芸能ライターの織田祐二氏にその辺考察していただくと――。

「そうなんですよね。自分も先だって某誌の企画で“妹系”や“妹キャラ”について調べてみた際に、最近はそう呼ばれている子が案外いないことを知って愕然としたんです。自分が原稿書く際も、かつては小倉優子や浜田翔子、南明奈あたりの記事で結構使ってた感もあるんですが、あらためて考えてみたら、ここ数年、ほとんど使ってない気が。
じゃあ、なんて言葉を使うのか? といえば、“合法ロリ”とかですかね。ネットの各アイドルニュースを見ても、そっちのほうが圧倒的に多い気がします」

 そもそも“妹系”の定義はなにか? と問われれば、それは極めてあいまいなものと言わざるえない。氏のいうように、ブレイク時の小倉優子や浜田翔子あたりの容姿やキャラにふさわしい呼称であるが、厳密な定義はないといっていい。加えて、そもそもその言い方がどこで広まったのか? と考えると、アイドルではなく、アニメやAVが先というのが目下の定説のようだ。

「ざっと調べてみたところ、2002年にAV業界で『AVグランプリ Best of 妹』なる賞が設けられ、当時の人気AV女優だった堤さやかが選出されています。それの企画主旨を見ると、“2002年のAV業界のキーワードは「妹系」”と書かれており、余分に見積もっても、前年の2001年頃から広く認知され始めたのではないかと……。
事実、小倉がブレイクしたのが2002年、浜田がDVDデビューしたのが2003年で、当時、そういう時代のニーズ、流れがあったことがわかります」(同氏)

 結局その流れは2000年代後半にブレイクを果たした南明奈や篠崎愛あたりまで続くことになり、2010年ぐらいまでは人気グラドルの呼称として盛んに使われていたわけだが、その後、徐々に減少していく結果に。芸能評論家の三橋りの氏が語る。

「そうなった理由としては、単純にそれ系のグラドルが少なくなっていったことが一因と思いますが、一ついえるのは、その時期からAKB系のグラビアが誌面を席巻していったこと。
それによってグラドル自体影が薄くなり、必然的に“妹系グラドル”も脚光を浴びる機会も激減、ということでしょうか。
周知のように2014年ぐらいから王道グラドル勢の逆襲が始まるわけですが、ロリな容姿で、もろ妹系と呼べる天木じゅんや長澤茉里奈、西永彩奈あたりを称して新しいタームの“合法ロリ”といった呼称が多用されるようになり、現在に至っているといえます」

 確かにAVの世界で“妹系”と謳えば、禁断の設定のニュアンスもあり相応のインパクトがあるが、水着止まりのグラドルの場合、いまとなってはそれほどインパクトは感じられない。それよりは“合法ロリ”と謳ったほうがキャッチーであり、とりわけ、前述の3人などはこの呼称がなによりしっくりくる。

「とはいうものの、妹系も捨てがたいですがね。うーん、妹系という言い方が廃れた背景には、ゆうこりんやアッキーナのその後の歩みにファンが幻想を打ち砕かれたから……なんてことも考えてしまったりもしますが、まあ、考えすぎですかね(笑)。兄貴心をビシバシ刺激する究極の妹系グラドルの誕生に期待しておきます」(織田氏)

 ちなみに妹系グラドルならぬ妹系アイドルの嚆矢といえば、1977年に“1億人の妹”のキャッチフレーズでデビュー、人気を博した大場久美子あたりか。それから40年を経た2017年のいま、“1億2千万人の妹系グラドル”の誕生を熱望したい。

(文・ニイゼキユウジ)

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