あらゆる事象やジャンル同様、年々日々、時流の変遷を重ねていくグラドル界。ブーム、ムーヴメントなど、続くもの&絶えるもの様々といえるが、そんな中、ここ1、2年、とりわけ目につく動きが、“体を鍛えるグラドル”(およびそれを披露する動画)の増加じゃないだろうか。
芸能ライターの織田祐二氏が語る。
「確かに20年ぐらい前だったら考えられないこと。15年ぐらい前だと思いますが、川村ひかるが『ボクササイズにハマっている』旨の発言をして、“グラドルがトレーニング? どこに向かう気?”などと意表を突かれた思い出がありますから(笑)。シェイプアップのためにジム通いをしていたグラドルはいたと思いますが、SNSなどの発信源がない中で、それをウリにしたり評判になる者は、当時はほとんどいなかったといっていいはず。時代の大きな変化といえますね」
昨今、それで話題の顔ぶれをざっと挙げていくと、犬童美乃梨、ちとせよしの、小倉優香、わちみなみ、橋本梨菜、森咲智美、鶴巻星奈、ほのか、白川未奈(本業は女子プロレスラー)などなど。まだまだほかにも大勢いることだろう。
「学生時代、カヌーでインターハイ3位の記録を持つ紺野栞は、インタビューした際、上下ジャージ系のスタイルで現れましたからね。話を聞くと『このあと、走りこんで、ジムに行くんです』との返答(笑)。そんなグラドルは昔なら絶対おらず……って、いや、最近でもそこまで徹底してトレーニングに打ち込むグラドルはそうたくさんはいないと思われますが(苦笑)」(織田氏)
ここまで続く流れの第一人者といえば、グラドルユニット『sherbet』のリーダーにして、“グラドル界No.1美BODY”や“動けるGカップ”の異名を持つ犬童美乃梨か。トレーニングをメインとしたYouTubeチャンネル『♯みのトレ』は昨年春の開設以来、瞬く間に支持者を獲得し、現在のチャンネル登録者数は17万人以上。昨年夏に行われた大会『サマー・スタイル・アワード新人類』(夏が一番似合う男性・女性を決める大会)では、ビューティーフィットネスモデル部門とカップルモデル部門の二冠で優勝したのは記憶に新しい。
「SNSでのトレーニング披露の起源、流れでいえば、9頭身ボディ披露で注目を集めた菜々緒や、同様にキックボクシングのそれで話題を呼んだ広瀬すずあたりの影響力が大きいと思われますが、グラドルが本気モードで特化するようになったのは犬童、さらにその前からYouTubeでコンスタントに筋トレする様を上げていたわちみなみあたりが発端でしょうね(筆者注.自ら運営するYouTubeで精力的にそれを上げるようになったのは、犬童が先と考えられる)。その時流の背景としては、SNSでの特技を全面に打ち出したうえでの話題性というのが一点。加えて、健康や美容における情報化社会の現状、同性からの共感や支持が多く得られるというのも大きなポイントでしょう」(芸能評論家・三橋りの氏)
ちとせよしのはトレーニングに打ち込みながら、先のツイートでは「3キロ太った」ことを告白。ダイエット企画のYouTubeでお馴染みのテレ朝アナウンサー・三谷紬も(グラドルではないが、言わずと知れた並のグラドル以上の巨乳の持ち主)、開始から4か月経た現在、ほとんど成果が表れていないということで、その主旨やコンセプト、本気度は各自バラバラというのが実情だが、そういうケースも含め話題には事欠かないムーヴメントとはいえそう(笑)。
「まあ、本音をいえば、トレーニングに打ち込む様子を世の男性陣がエロ目線でもって見ているというのも紛れもない事実(笑)。最近話題の小倉優香のそれは男性トレーナーと一緒のもので、コメントを覗くと、下世話な書き込みがいくつも散見される始末で……。小倉に限らず、そこも含めて承知のうえでグラドルサイドも続けているようにも思えますがね(苦笑)」(織田氏)
昨今の外出自粛ムードの中で、一気に注目が集まっている流れも見られるトレーニング動画アップのムーヴメント。グラドル的には始まったばかりともいえるその動きだが、今後、それがどう展開して広がりを見せていくのか、意外なペルソナの参入の期待も込みで要注目と断じておきたい。
(文・ゴーゴータイムズ雑賀)