まずはラップ&どんぶりの、絶対にどこの家にもある道具だけでやって見るバージョン。どんぶりはお湯を入れ電子レンジでアツアツに加熱。そしてレクチャーどおり慎重にお湯を白身のちかくにまわしがけ三分後……
バーン……なんか、微妙。黄身にたいして一方にかたよりすぎた白身が、でろーんと垂れて格好悪く全然ダメですな。白身のまわりに少しづつ、のお湯の回しがけができていなかった……。お湯のいきおいで白身があるべき位置からずれてます。はい、再チャレンジ。
お湯の注ぎ方もむずかしいが、やはりタマゴの半生感がいなめかったので、二度目はレクチャーでおすすめされた「フタつき」の器で勝負。
鍋の中は少量の沸騰した湯。これは器全体をアツアツにする作業。よって中の湯は捨て、火も止めます。湯を捨てたのち、ラーメンとタマゴを入れ、あらためてヤカンの熱湯を注ぎフタするのです。
え? 火にかけている鍋に直接ラーメンと、タマゴを入れて煮ればいいじゃないかって? それじゃ普通の即席ラーメンと同じじゃないですか。お湯をかけた余熱でつくってこその正調チキンラーメンなのです。まあ、三分後をごらんください……
バーン……なんじゃこりゃー。一回目よりダメ。しかも黄身がちょっちつぶれてますし。なぜ黄身にたいして左側の白身が半生になってしまうのか……考えられる原因はヤカンのお湯のファーストショットの勢いです。ヤカンのお湯の最初のドバッで、直撃をうけた白身が流れだすのでしょう。日清の直伝テクニック「白身のちかくに円をえがくように、少しづつ」のお湯がけスキルがいかに細心の作業を要するものなのか、やってみてはじめて痛感……。
フッ……そういうことかい、日清さんよ。レシピは誰にでも包み隠さず教えるが、できるかどうかはアンタの腕しだいだぜと。つまり、あの伝説のラーメン屋・大勝軒と同じ教育スタイルってわけだ。
レシピはすべて公開するし、材料も特別なもんは何一つ使っちゃいねえ。だけど作る職人によって仕上がりは千差万別。それがラーメンの面白さ、怖さなんだよと、こういうわけだ。さすが日本一のインスタントラーメン会社だよ。あの伝説の大勝軒マスター山岸一雄さんと、同じことを教えられるとは、恐れ入ったぜ。
ひさしぶりに燃えてきたぜ。やってやろうじゃないの。完璧なチキンラーメン作りってやつを!
えー、燃えたところでトライ三回目です。ここで私なりの気付きがありました。タマゴのサイズです。ごぞんじのようにタマゴにはSサイズからLLサイズまで売られています。
産む親鳥の生育期間によってタマゴはSサイズ40グラム以上から、LLサイズ70グラム以上まで、なんと約30グラムも違いがあるのです。しかも黄身の大きさはほとんど同じで、その差は白身の多さなのだとか。
つまり、限られたお湯の熱量で白身をキレイに固めるならばSサイズのタマゴが断然に有利なのでは、という仮説を思いついたのです。
というわけでタマゴはSサイズに変更。これは百均スーパーの6個入りパックを買うともれなく入手できます。みればわかるほど小さいです。
Sサイズなので白身がキレイに麺の上にのっています。Lサイズだとこの段階で麺から流れおちたりして、美しい仕上がりになりにくいのです。
さらに一工夫です。お湯がけをおたまでやってみます。ヤカンのドバッとでる湯の勢いでタマゴが流れたり崩れ、仕上がりが悪いからです。おたまで、日清直伝のテクニック「白身のちかくに円をえがくように少しずつ」のお湯がけをしていきます。
さあ準備はととのいました。少しでもアツアツでお湯がけするため、ラーメンの器はお湯の鍋のとなりにセット。コンロの上においてますが、けして直火はつかっておりません。あしからず。
お湯がけする写真も撮りたかったんですが、なにせ一人での作業。片手にスマホ、片手でお湯がけは写真もブレますし、お湯がけも適当になってしまうため、ここは文章で説明します。
ズバリお湯がけが成功のカギです。熱湯をおたまにすくい、白身のフチに円をえがくようにかけていきます。おたま十回ぶんぐらいでお湯がすべて入るかんじで。慎重に、しかし一分以内でお湯がけ完了すること。
あせってかけると白身が流れて崩れますし、もたもたしてると冷めてしまい余熱でタマゴが固まらなくなって失敗します。慎重かつスピーディーなお湯がけがすべてのコツといっても過言ではないでしょう。。
さあ、すべての作業が完了し、フタしてまつこと3分……はたして?
(編集部作)
(コマーシャルフォト)
バーン! おおーっ! ちょっとコレ……できてるんじゃないですか? 日清さんのコマーシャルフォトと比べても、固まり具合はオーケーですよね? コレ完成っつってもいいですよね? 全国のみなさん、お湯かけだけで、コマーシャルみたいなチキンラーメン成功しましたよ!
いやー、成功成功、大成功! というわけで今回も自己満足のうちに終わる再現クッキングですが、最後にコツをまとめておきましょう。
(日清直伝のコツ) ・タマゴは常温にもどしておく ・器はアツアツに温めておく(理想はフタつきの丼や小さい土鍋など) ・お湯がけは白身のちかくに少しづつ、円をえがくように
(デラべっぴん的なコツ) ・タマゴはSサイズが成功しやすい。Lや2Lだと固まりきらない ・かならずおたまで熱湯をすくい、少しづつかける。 ・ヤカンの湯の直撃はタマゴのかたちが崩れてしまう ・おたまで白身のフチにそって、円をえがくようにお湯がけする。 ・おたま十回ぐらいのお湯かけで、一分以内で完了させる ・室温は20度以上が成功しやすい。
以上です。これらコツを守れば、おそらくコマーシャルみたいな目玉焼き状に固まったタマゴができるかとおもいます。
みなさんもヒマをもてあました際にはぜひ挑戦してみてください!