最近、グラドルのおっぱいの形容でやたら使われる“まん丸バスト”。その起源を調べてみたら、意外な事実に辿り着くことに!?

 ここ数年、グラドルの記事でやたら目にするようになった(気がする)“まん丸バスト”という言葉。目にはするものの、原稿にしろ、コメントにしろ、自分では一度も使ったことがなく(たぶん、使ってない)、それでも、久松郁実天木じゅん石川恋桐山瑠衣青山ひかる清水あいり永井里菜園都あたりの記事を見ると、そういう形容がなされていて、なにやら大流行りの様子。特に、グラドル記事でお馴染みの某ネットニュースでは頻繁に使われており、バストを絶賛するうえで効果的に作用している……ように思われる(笑)。

そんなわけで今後は自分でも使ってみるべく、というか、使うにあたって、その言葉の起源を無性に知りたくなり、調べてみることに。

 やり方はいたってシンプル。ネットで“まん丸バスト”“グラドル”“アイドル”などの言葉をチョイスして検索、少しでも古い記述を探し当てるというもの。

 2016年、2015年、2014年……。2014年にはすでに使われていることが早々にわかったが、驚いたのがグラドルの記事のみならず、女性の発言としてその言葉が使われていたこと。

たとえば、某知恵袋(笑)の2014年3月のこんな記述。

「まんまるバスト? ブラ100枚 閲覧ありがとうございます。Fカップなのですが、よく下着専門店でカップの部分の分厚いブラ(まんまるバストを作る!谷間!)があります。店員さんに分厚くないブラとの違いを聞いたのですがよくわからなくて、私は余り胸は目立たせたくないのですが、まんまるバスト、谷間は憧れます」

 下着専門店で、そういう表示がなされているということは、少なくともこの時点で、女性の間ではしっかり市民権を獲得した周知の言葉であったとみなしていいだろう。

 さらに遡ってみると、2013年1月の「まんまるバストはどれくらいお好きですか?」といった男(おそらく)の書き込みに続き、同年の下着通販サイトで、「まんまる育乳ブラ 2013年の新型ブラ」なるものを発見! なるほど、2013年にこういう新製品が出たゆえ、前述のように、以後、下着専門店のPOPなどで“まんまるバスト”が激押しされるようになり、女性の間ではちょっとした“まんまるバスト”ブームが到来していたということか。

まんまる育乳ブラ

 ただ、ここで気になるのは“まんまる育乳ブラ”と、すでにこの時点で、当たり前のようにお馴染みの言葉として使われていた感があること。上流、源泉はまだ先?

 気合を入れてさらに遡ることにして、2012年7月、くだんの知恵袋の小椋久美子に関する質問で、「あの素晴らしいバストは何カップですか?」「顔からしてまんまるEカップと想像しています」というやりとりが。“まんまるEカップ”はむろん“まんまるバスト”の変化形。3年どころか5年も前に使われていたことに驚きつつ、地道に検索を続けると、同じ知恵袋の2010年7月の質問で、“まんまるバストが理想”という女性の記述(結構な長文)を発見――。

 というわけで、ウダウダ細かく経緯を書き続けてもアレなので、この辺で結論に至ることにして、2009年9月にワコールの子会社のウンナナクールから発売された“きんちゃくブラ”なるものが(厳密にいえば、それを伝えた記事が)どうやら“まんまるバスト”の起源っぽい。当時の新発売を伝える記事を見ると、「きんちゃくブラでまんまるバストに」という見出しのもと、「ブラジャーのカップのサイドから下辺部にかけて、ストレッチテープでギャザーを入れることにより、ワイヤーがなくても立体的な丸いバストを作ることができる」とある。

 いまのグラドルにおける“まんまるバスト”の形容は、多少のレトリックはあるにせよ、あくまで素の見た目の形を示すはずだが、当初のそれは、補正したうえでの理想的形状を意味していたというのがなんとも興味深いところ。胸に歴史アリ。

 以上、“まん丸バスト”(最近は“丸”は漢字が主流の模様)の起源は2009年の“きんちゃくブラ”ということで、この原稿を締めたい……と思ったわけだが、ここにきて思い出したことがひとつ。そういえば、水樹たまの北村ひとみ時代のブログのタイトルが「◎まんまる◎どーなちゅ◎」だった。今回は“まん丸バスト”という言葉の起源探しが目的なので、“どーなちゅ”は別物といえるが、彼女が名づけたそれらがバストを意味しているのは間違いない。念のため、改めて調べてみると、彼女が引退を表明した(そんなこともあった)2009年5月でこのブログは終了。

 ということは、5月に“まんまるどーなちゅ”が終わり、4か月後の9月に“まんまるバスト”が世に出たことになるが? この流れは偶然なのか。真のキーパーソンは、ひょっとして、水樹? うーん、とりあえず本稿、今回はこの辺で……。

(文・織田“おっぱい探偵”祐二)