いまや、モデルやテレビのバラエティ枠で完全に定着したといえるハーフ(およびクウォーター)の女の子。グラビア界でもそれは同様で、アンジェラ芽衣、エリカ&マリナ、牧野紗弓、クロエ潤、福井セリナ、ガルシアミナなどなど、注目話題のハーフ・グラドルが次々に登場しているのが現状だ。
「最も成功したハーフ、クウォーターのグラドルといえば杉原杏璃ですかね。あまり語られていませんが、母方の祖父がオランダ人ということでクウォーターです。あとは星名美津紀。母親が中国人でアジア系のハーフ。2000年代後半にグラビアで大活躍した優木まおみも、日本・中国のハーフの父親とロシア・中国のハーフの母親という出自。元祖的に遡ると、母親がフランス人の沢尻エリカ(註.2002年のビジュアルクイーン・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、新人当初はグラドルとしても活躍)あたりでしょうか。こうして見ると、昔からグラドル・ファンにとってハーフやクウォーターはかなりお馴染みであることがわかりますね」(アイドル評論家)
思えば、“グラビア界の黒船”として一大ブレイクを遂げたリア・ディゾンも、父親が中国系フィリピン人、母親がフランス系アメリカ人のハーフ。さらにぐっと遡れば、グラビアアイドルの嚆矢として位置づけられるアグネス・ラムも中国人の血を含む出自であり、アジア系の血を持つハーフやクウォーターのグラドルにほそもそも当初から縁があったと考えても過言じゃないだろう。芸能ライターのニイゼキユウジ氏が語る。
「過去の流れを見るに、潜在的に惹きつけられるというのは間違いないと思います。逆に、純白人系、見た目的にいかにも欧米人なグラドルが大成していないことを考えると、グラドル・ファンの琴線に触れるヴィジュアルのラインというものが暗黙の裡にあるように思われ、目下ブレイク中の、ルーマニア人の母親を持つエリカマリナ、フィリピン人の母親を持つアンジェラ芽衣あたりのそれがドンピシャなのではないかと考えられます(笑)」
なるほど、ハーフではないが、かつて、エロテロリストの異名で一世を風靡した台湾人のインリン・オブ・ジョイトイ、アイドリング!!!メンバーとして活躍したベトナム人のフォンチー、小倉優子や篠崎愛の代名詞的栄冠でお馴染みのミスヤングアニマル(2008年)に輝いた中国人のローラ・チャンなどは、それぞれグラドル・ファンから絶大な支持を獲得した存在といえる。日本人と同じアジア系のヴィジュアルがしっかり受け入れられてきたという、これまでの実情実績は特記してしかるべきだろう(アイドルという意味では、アグネス・チャンあたりまで遡るのが筋だが、グラドルがテーマの本稿では触れず)。
「むろん、今後、テイラー・スウィフトみたいなヴィジュアルのグラドルがブレイクしないとは言い切れませんがね(笑)。まあ、そういうビジュアルの子がブレイクしたとしても、蓋を開けてみると、実はハーフ、クウォーターだったというパターンの気もしますが。やはり、日本人はおうおうにして、ハーフ、クウォーターがお好き。とりわけ、アジアの血の入った美少女には目がないということでいいんじゃないでしょうか(笑)」(ニイゼキ氏)
ピザならハーフ&ハーフ、ランチなら半チャーハンや半ラーメンがついたものが大好きな日本人。さらには二刀流から二毛作に至るまで、違った2つを堪能、活用するのが大好きな日本人。って、それらとグラドルをまったく一緒に考えていいかは定かじゃないものの(笑)、ハーフやクウォーターには、スペシャル感としての確固たる魅力が備わっているというのは間違いないだろう。浅川梨奈、大原優乃、小倉優香、わちみなみ、久松郁実あたりのトップ組の対抗勢力して、今後、どんな動きを見せるのか、あらためてハーフ、クウォーター勢に注目していきたい所存だ。
(文・織田祐二)