フリーのグラドルが増加中!? あべみほ、岸明日香、菜乃花、紗綾、吉沢さりぃ、小松彩夏、ななせ結衣など、ここ数年やたらに増えた感のあるフリー・グラドルたち。その現状と、利点、リスクなどについて考えてみた!

撮影会で個撮メインの子の危機管理も。それでもフリーグラドルが増加中

時流の中で、日々、多様性を極めていくグラドル界。とりわけ、昨今のコロナ禍という未曽有の実情にあって、様々な様相の変容が見られるようになっているわけだが、そんな中、ひとつの明確な動きと呼べるのが、事務所に所属しない「フリー・グラドル」の増加だろう。

「元グラドルの子含め、ざっと挙げただけでも、あべみほ、岸明日香、菜乃花、紗綾、吉沢さりぃ、小松彩夏、ななせ結衣、茜さや、橋本ひかり、白雪詩織、辻りんなど、たくさんいますよね。5年ぐらい前からコンスタントにネット記事で扱われるなど、関心が寄せられていましたが、紗綾や菜乃花、岸明日香クラスの子がフリーになる事態というのは意表を突く展開と呼んでいい。長年の活動で培った人脈やコネクションを利用しての勝算を見込んでの決断だと思いますが、順調組の一方で、そういうのが盤石じゃない新人の子はいろいろ厳しいものがあると思いますね」(芸能ライター・ニイゼキユウジ氏) 

一口に「フリー・グラドル」と言っても、ベテラン・中堅の子と新人の子では、確かにリスクが違うというもの。個人の裁量で自由に動ける利点の半面、事務所社会が根強く続く芸能界にあって、直面する問題点も。フリーというからには、専属のマネージャーがいないケースが大半だが、ベテランの子になると仕事に応じて、随時、業界の事情に長けた知人に依頼、起用するケースも。

「やはり、仕事によってはアイドル1人での対応や対処が難しいものがありますからね。最近とみに流行りの個撮などは、いろんな意味で(笑)、やはり間を仲介したり仕切ったりする人間がいたほうがいいですし、DVDの撮影の打ち合わせもしかり。女の子1人だと、無理めの内容を要求してくるメーカーもあるようなので(苦笑)。それ以前に、仕事を取るという基本的作業も、間に立つマネージャー、もしくはそれに準ずる立場の人間がおこなったほうがスムーズにいくのが常。それでも1人で動いてる女の子は大勢いるわけで、心身両方のリスクの意味で今後の動向を思うと、心配な側面は確実にあります」(ニイゼキ氏)

仕事の制約という意味ではこんな話も。

「CMの世界では、フリーの子は99%起用NGです。万が一、なにか起こった場合、責任の所在が不明確ですからね。ネット社会における情報化過多の実情や、芸能活動をおこなう中でのタレント――それはグラビアアイドルに限らず――のモラル、責任感の欠落なども随時指摘される昨今にあって、事務所の役割はこれまで以上に増大。空前のフリーランス時代の到来は個人的には把握していますが、CM業界に限っては以前とまったく変化がない、むしろコンプライアンスの認識とその強化で俄然厳しくなっているのが実態なんです」(CMコーディネーター・T氏)

先行きがまったく見えないコロナ禍の中、新たな活路を見出すべくフリーに転じる子が増加という実情もあるわけだが、ムーヴメントとしての今後の流れについては当面予断を許さないというのが現状の結論か。コロナ終息のあかつきには、各自活動が元のようにスムーズになる一方、その競争は激化を極めるのは必至であり、その局面で事務所所属組のアンチテーゼとして、フリー・グラドルたちはどんな展開を見せていくのか。興味深く、注意深く見守っていきたい。

(文・織田“オーリー”祐二)