いまも昔も人の名前には時流があるものだが、それについてはグラドルの名前も一緒(たぶん)。最近の流行りを見てみると――。
「一部ネットでも取り上げられていますが、“白”や“桜”の漢字を有した子がやたら多いですよね。グラドルの場合、下の名前というより名字も含めての時流と言えそうですが」(アイドルライター)
“白”は、白壁爽子、白波瀬海来、百白奈央、白田まい、白宮奈々、白葉まり、白石みずほ、白峰ミウら。“桜”は、桜井木穂、桜りん、桜木美涼、工藤美桜、安藤咲桜、桜田なな、桜田愛音、吉田莉桜、櫻井音乃、樹さくらら。確かに多く、人気者揃いというのも特徴的で、時流と呼ぶにふさわしい様相といえる。
「“海”と“咲”の漢字も目にしますよね。前者は浅海ゆづき、白波瀬海来、七海、海野まりあなど。むろん、東雲うみも加えていいでしょう。後者は、森咲智美、緒方咲、船岡咲、花咲ひより、花咲れあ、花咲来夢、花咲希音、安藤咲桜、堀尾実咲、咲川つむぎ、水谷彩咲、水咲優美、三咲はるなど。古くは(笑)、鈴木咲、小松美咲あたりでしょうか。白波瀬海来や安藤咲桜は流行りの字を2つも有している形。一方で、花咲が4人いるというのも、グラドル界ならではのレアな実情と言えそう」(芸能ライター・ニイゼキユウジ)
“咲”という名前でいえば、平成名前(名づけ)ランキングで、女子で最も人気があったのが“美咲”とも……。試しに“花咲”という名字をネットで調べたところ、全国名字ランキングで12139位で、人数はわずかおよそ530人。グラドル界に4人もいるということは(探せばまだいそう?)、確かに相当に新奇で画期的な流れと呼んでよさそうだ。
「本名と芸名の違いはありますが、総じてグラドルのネーミングとして考えた場合、前述の漢字は令和の最新の現状、キャッチーな語感や文字の視覚的な魅力を十二分に有しているということなんでしょうね。本人にとってもファンにとっても、キュートで親しみやすい字や響きという。あとは、やはり、先達となる人気者がいるということ。憧れの先輩の名前の一字が自分にも備わっているというのは、活動をするうえでモチベーションの意味でかなり大きいようにも思えますから」(前出・アイドルライター)
「今後はそれこそ、“花咲咲桜”とか“白咲海桜”といった流行りの漢字を盛り込みに盛り込んだ名前の子が出てくる可能性も……。うーん、どうでしょうか(苦笑)。ここ5、6年を見ると、“橋本”や“葉月”の名字や名前も人気者として目にしますが、そのあたりも含め、名前の複合具合には注目していきたいところですかね」(ニイゼキ氏)
既視感既聴感満載の名前といえば、小倉優香(現・小倉ゆうか。周知のように本名)が記憶に新しいが、ブレイクを果たすうえで名前の響き、ひいては文字から受ける印象、インパクトはこれまで以上に大きく変化しているのかもしれない。
「SNS始め、ネットで名前を文字で見る機会、回数が一昔前とは全然違いますからね。ファンのグラドルの名前に対する親近感や愛着の度合いも必然として違ってきていると思いますね」(前出・アイドルライター)
グラドルの名前の時流、流行り事情。どんな推移を見せていくか、今後も注視していきたいところだ。
(文・織田“本名です”祐二)