プライベートな質問ははぐらかされ、なかなか距離が縮まらない…
今回は昼間のデートということで、まずはランチをとることに。
手を繋ぎながら、あらかじめ調査しておいたオシャレなカフェへと向かう。
その道すがら、さすがに沈黙とはいかないため、こちらからいろいろと質問していくことにした。
仕事のことを聞きたかったが、せっかく親しみのこもった笑顔を向けてくれるようになった彼女が再び事務的になるのが怖かったので、プライベートな話題でいくことに。
普段は何をやっているのか、どんなところに遊びに行ってるのか、周り流行っているのはなんなのか、など当たり障りのないことを聞いていった。
それに対し、彼女はにこやかに答えてくれて、
『なんか彼女と会話してるっぽいぞ』
と思わせてはくれたのだが、所々で『ん!?』と思わせられる回答があった。
それは、彼女の個人情報が特定されそうな質問に対してのもので、
『よく遊んでいるところ…そうですね渋谷とかですかね。住んでるところはちょっと言えないんですけど』
とか、
『普段は、一応学生してます。学校名は言えないんですけどね』
といった具合である。一応、会話のキャッチボールはできているので盛り上がっているようには見えるが、言葉の端々で牽制というかよそよそしさが見え隠れしていて、ちょっと悲しくなってしまった。
まあ、個人情報が特定されてしまったら、相手によっては大変なことになってしまうということは、わかるにはわかるのだが…。
というわけで、彼女との距離感は一向に縮まらないまま、ランチへと突入していったのである。
その後も、会話は大きな盛り上がりを見せることはなく、彼女との楽しいランチというよりは、他人同士の食事会的な感じで終了。
ここまでで1時間が経過したが、支払ったお金に見合った楽しさは受け取っていない。
残りの半分でどれだけ費用対効果を上げることができるのか、デート開始時のウキウキ感はすでになく、そんなことを思いながら、オシャレなカフェを後にしたのだった。
唯一許された密室で、少しだけ肌に触れ合い童貞少年のように興奮!
ランチが終わった後に向かったのは、カラオケボックス。
自宅やホテルなど、外部から遮断されるような密室への連れ込みは禁止事項とされているのだが、カラオケだけは例外だったので、ランチを食べたらそこへ行こうと最初から考えていた。
カラオケへ行く道すがら、なんとか精神的な距離が縮められないものかと頑張ってはみたものの、結果はやはり同じ。
キャバ嬢でももう少しうまく立ち回ってくれるぞ、なんてことは表情にも、もちろん口にも出さず、乾いた笑顔を浮かべながら、必死こいてやっていたのだが…。
カラオケ店に着くころには、もうすっかり諦めモードになっていた…。
しかし、部屋に入ると、ここでまたまた男の悲しい性が…。
比較的広い室内にも関わらず、太ももが密着するほどの近距離で座ってきたのである。
少し暗い室内で、若い女の子と超密着。
しかも、ドリンクオーダーを決める時や唄う歌を決める時などには、さりげないボディタッチまでサービスしてくれたのだ。
こんなの、風俗に比べたら屁でもないようなものであるが、
その時はなぜか大興奮して自分の息子がおっきしてしまい、
そんな自分の純情ぶりに驚き、そして恥ずかしくなってしまった…。
そんな興奮状態も、あることで強制クールダウンさせられることに。
『もし、客から言い寄られたらどうするの?』
そろそろ頃合いかと、一番聞きたかった質問をしてみたところ、
「お客さんと付き合うのはダメなんです。もし襲われたとしても、その対処の仕方は教わっていますので」
口調は丁寧だったが、断固とした意思が感じられた…。
自分の『風俗じゃないけど、なんとかなるのでは』…という思いは粉々に打ち砕かれ、
目の前にものすごく高い『見えない壁』が現れたのだ。
これにより、完全に白旗を揚げることになり、その後は仕事モードに…。
嫌われるのを恐れてしなかった、彼女レンタルのことについて、根掘り葉掘り聞いていった。ただ、こちらも見事に「それは、お話できない決まりになっているんです」と、内部の実態に関してはほとんど知ることはできなかった…。
最後はションボリとしながら、最終地点のハチ公前まで手を繋いで歩いていった。
そして、
「今日はありがとうございました」
という言葉で、2時間の疑似カップルは破局を迎えた。
別れ際に手紙を渡され、それを握りしめながら遠ざかる彼女の背中を見つめる。
ビジネスライクなところは多分にあったが、なぜだか胸が締め付けられた…。
疑似恋愛はキャバクラでもできるし、一線を超えたいなら風俗へ行けばいい。
しかしながら、キャバや風俗よりも制限が厳しい『レンタル彼女』では、
他では味わえない〝青春の甘酸っぱさ〟を経験できるのである。
これこそが最大の魅力であり、そして繁盛している要因なのではないかというのが、実際に体験してみてわかったことである。
もし、童心に返りたいと思い立ったら、みなさんも利用してみてはいかがだろうか。
(取材・DBニュース編集部)