【独自の哲学を持つグラドル・来栖うさこインタビュー】「ちゃんと真剣にグラビアというものを考えて。ロジックとまでは行かずとも、ちゃんと段取り考えて、しくみも勉強して、うん。やろうと思ったんですね」 【その3】

DVD『usanchu 来栖うさこ』(エアーコントロール)

グラビアアイドル界で独自の存在感を出している来栖うさこちゃん。
彼女のこれまでの経歴と、グラビア哲学をたっぷり語っていただきました!(全4回 その3)

高校卒業して東京に出てきて、始めは進学したんですよ。その学費を出すのに新聞配達して

■インタビューその1、2

【独自の哲学を持つグラドル・来栖うさこインタビュー】「やっぱり数字は目に見えてわかりやすいですよね。こんなにがんばりましたよーって言葉で言うよりも。結果重視なんで(笑)」 【その2】

── ちょっと話を学生時代の頃に移したいんですが、電気電子のクラスということで女子は来栖さん1人だったんですよね。自分も電気の勉強をしていたので、女子が圧倒的に少ない環境を知ってるんですが、いまの来栖さんに至る影響や原点などがあるかなと。

来栖 女の子1人で、ほんと、マイペースでしたね。眠くなったら寝て、お菓子食べたくなったら食べてーって(笑)。

── 男子にはモテモテでした? 自分の場合は女子がクラスに3人とか2人だったんですけど(筆者注.余談ながら、留年したため2つのクラスを経験)、それに近い状況があったような(笑)。

来栖 あのねー、あのねー(笑)。

── ハハハ。なにか反論が(笑)。

来栖 2人とか3人いるってワナなんですよ(笑)。2人とか3人とかだとそういうことも生まれると思うんですけど、1人ってそれがないんですよー。告白とか、つきあったとかなるとして、女子が1人だとそれがないんです。

── 男子側の論理も大きく作用してそうですが(笑)。そういう学校に行こうと思ったのは来栖さんの意志で?

来栖 もちろんもちろん。親はそういうのはなんにも言わなかったので。先生からも「受験希望が君しかいないけど大丈夫?」って言われました。「お前1人で3年間になっちゃうよ」って。「全然大丈夫です」って(笑)。

── 途中でイヤなことはなかったですか?

来栖 本当になかったんですよねえ。高校3年間は本当に楽しくて。青春みたいなのはなかったんですけど(苦笑)。中学がけっこうイヤな思い出が多くて。女の子が多かったんですけど、ギスギスギスギス……って。それがイヤだったんです。で、高校になって男の子しかいない。しかも女子は1人。楽ですよー(笑)。

── 現在のアイドルの仕事やフリーランスの歩みの原点、と断じるのは早計かもですが、興味深いお話(笑)。で、女子1人といえば、20代前半の頃にハマってたという麻雀も……。

来栖 ああ、麻雀。めっちゃハマってました(苦笑)。最初、客打ち(注.麻雀店のスタッフが仕事としてではなく勤務外にお客さんとして麻雀をすること)から始まって、フリーで知らない人と打って。練習も兼ねて打ちながら、立ち番をしたり。

── 立ち番ってなんでしたっけ(笑)。

来栖 最初になにで打つかを聞いたり、飲み物運んだりする……。基本立ち番って女の子がすることが多いんですけど、当時はまだ女の子が少なくて。最近は麻雀する女の子や麻雀に関心持つ子が増えましたけど。

── 男中心の世界ですよね。オッサンだったり、ヒマな大学生だったり。

来栖 そうですね。

── どのくらいハマってたんですか?

来栖 雀荘は3年ぐらいかな。

── 当時の仕事としては雀荘以外にも?

来栖 元々……、ああ、最初から話すと(笑)、高校卒業して東京に出てきて、始めは進学したんですよ。その学費を出すのに新聞配達して。

── 新聞配達を!?

来栖 そうなんです。で、いろいろあって学校をやめて、新聞配達も満了でやめて、服が好きだから109でアパレル店員をやって。で、そのあとイベントコンパニオンを始めたんですよ。

── 振り幅が凄い(笑)。

来栖 パチンコ屋の来店イベントとか展示会とか、それをなんだかんだ6年ぐらいやったんですよ。で、その間、並行して雀荘で3年ぐらい働いたんですね。仕事を掛け持ちしてやっていたんです。

── 話を伺っていると、そういう歩みはいまの仕事に繋がっていますよね。

来栖 女性が多い環境というのが苦手だったという(苦笑)。

── 一貫していますよね(笑)。コンパニオンの段階で、それも6年という長い時間をかけて新たなそういう環境に徐々に適応していったというか。

来栖 ああ、ああ。練習にはなりましたね。女の子がたくさんいる場所に慣れるという。

── コンパニオンやりながら、本格的に芸能仕事をやりたいという気持ちが?

来栖 ただ、本格的にやりたいと思うようになったのは、やっぱりここ3年ぐらいなんですよねえ。

── ああ、いまのグラビア仕事をするようになってから。ただ、そういういろいろな経験がしっかり血肉となっているのは確かですよね。

来栖 なんか、特殊なことしてますよね(笑)。ハハハ。

── その頃の話だけで1本インタビュー記事になりそうな気も。

来栖 いや、なりますね(笑)。

── 奥深くて、おもしろいですよ(笑)。じゃあ、あらためて3年ぐらい前を振り返っていただくと……。

来栖 ちゃんと真剣にグラビアというものを考えて。ロジックとまでは行かずとも、ちゃんと段取り考えて、しくみも勉強して、うん。やろうと思ったんですね。

── DVD出すならいくつかのメーカーでとかも含め、ヴィジョンは最初から固まっていたという?

来栖 いや、最初はそこまでは。うーん、ワタシの譲れない部分? レギュレーションとかあるので、そこを曲げてまで(作品は)出さなくていいと思って。その範囲内でできるなら楽しいから、やりたいなって気持ちでしたね。

── そういうのをどんどんやっていって、具現化していったのがこの3年間という。

来栖 そう、ですね。ただ、最近になって、ざっくりしたものなんですけど見えてきたものがあって。目標としてやりたいことが見えてきて……女の子のコンプレックス? あるじゃないですか。目が細いとか、太ってるとか、胸が小さいとかいろいろあると思うんですけど、それって、そういうのって自分が活動していく中で魅力の部分……、コンプレックスって魅力なんですよ。

── 某アイドル評論家の方も似たようなこと言ってたような(苦笑)。

来栖 ああ、言ってました?(笑)。同性として考えたときに、たとえば、学生時代とか浮いちゃう部分とかあると、そこが嫌いになっちゃうものなんですけど。ワタシもそうだったし。でも人の魅力って人と違う部分だと思うんですよ。

── わかりますわかります。って、こういうふうに簡単にわかっちゃう話じゃないとも思いますが(苦笑)。

来栖 フフフ。うーん、「あなたのここが魅力的だよ、好きだよ」って言っても、言われても、魅力に感じないんですよ。本人が自分の中で答えを見つけないと……。

── 来栖さんにとってのコンプレックスがまずあって、というのが前提なんですかね。

来栖 (あらたまって小さい声で)グラドルなのに胸がちっちゃいとか(苦笑)。よく言われるんですけど、「顔が薄い」とか「よくいる顔」とかって。

── 長年グラドルを見てきた人間からすると、そういう顔には思えないですけどね(笑)。

来栖 いや、本当にコンプレックスだったんですよ。ワタシは顔立ちがハッキリした女の子が好きで。ギャルが好きだから。

── 109で働いたのもそういう関係で……。

来栖 そうなんです(笑)。本当に自分の顔が嫌いで。でもコンプレックスって周りの人からするとそういうものなんですよ。で、それをワタシは覆したくて、この仕事をやってて。逆にそこがウリだと思って、いまやっているんです。フツーの顔の子が意外にセクシーとか。

── グラビアのイメージが強いせいか、派手な側の子としてずっと見てきましたが。

来栖 本当ですか。えーっ、初めて言われました(苦笑)。

── ファンの方もそういう認識の人が多いという?

来栖 ファンの人も関係者の人も。薄いっていうのも化粧してるとかそういう意味じゃなくて、素の顔立ちの意味で。

── ゆくゆくのヴィジョンとしては、そういうアドバイザーとかインフルエンサー的な仕事に繋げていきたいと。

来栖 まだ、どういう形でやろうかとは考えてはいないんですけど(苦笑)。大きい目標として、この仕事を通して影響を与えたいっていうのはあるんです。そういうコンプレックスを好きになれたほうが楽しいはずなんです、そのあとの人生が(笑)。

── いまは漠然としてますが、それを実現していくとなるとかなり大きな仕事や行為になりそうですね。

来栖 それをやるために必要なのは、ワタシの結果? ワタシが結果出してないと……、言ってることに説得力がなくなるし、まずそれを聞いてもらえない。だからフォロワーさんもそうだし、メディアに出ていくというのもそこですね。

── やっぱり、ぶっちゃけ言って数字なんですね。そこに繋がりましたが(苦笑)。

来栖 数字はわかりやすいですよね。

── じゃあ、ふだん、友達や仲間のグラドルさんの相談を受けたりも?

来栖 いや、そういうことは……。そういうのって相談はしないんじゃないかなあって。ワタシの場合、嫌いな部分って話したくないし、隠したい。見せたくない。「イヤなんだよねえ、直したいんだよねえ」まで言ってたらそれは前向きですよね(笑)。

── なるほど、そこは来栖さんがふだんの活動を通して自然な形で世の女性に向けて発信していくという。なるほどなるほど、だいぶ見えてきたような気も(苦笑)。

来栖 いや、自分の中でもまだいろいろ考えてるところなので……(苦笑)。

インタビューの続きは明日公開!!

(取材&文・織田祐二)

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